衣張山(きぬばりやま)は、鎌倉駅から東側に位置する標高121メートルの山です。決して高い山ではありませんが、山頂からは鎌倉の街並みや相模湾、さらには天気が良ければ富士山まで一望できる絶景スポットとして知られています。鎌倉の豊かな自然を気軽に楽しめることから、地元のハイカーや観光客にも人気のある場所です。
衣張山の位置
登山ルートはいくつかありますが、今回は報国寺側にある「平成巡礼道」から登ることにしました。報国寺は「竹の寺」としても有名で、美しい竹林の庭園が訪れる人々を魅了します。登山の前に立ち寄るのもおすすめです。
登山口に到着すると、まず目を引くのが地層の露出面です。長い年月をかけて形成された地層がむき出しになっており、大地の歴史を感じさせます。
ここから登山道へと足を踏み入れると、辺りは一気に緑に包まれます。シダ植物が生い茂る幻想的な景色が広がり、木漏れ日が差し込む登山道を進むと、静寂の中に鳥のさえずりや風に揺れる葉の音が心地よく響きます。
登山道は比較的なだらかで、初心者でも無理なく登ることができます。ゆっくりと歩いても山頂までは約20分ほど。道中には木の根が張り出している場所もあるため、足元には注意が必要ですが、程よい運動になり、心地よい疲労感を味わえます。
やがて山頂に到着すると、そこには小さなお地蔵様が静かに祀られていました。長年、訪れる登山者を見守り続けているかのような佇まいで、自然の中に溶け込んでいます。
そして、山頂西側へ目を向けると、広がるのは雄大な景色。鎌倉の街並みが眼下に広がり、その先には青く輝く相模湾が見えます。さらに、天候に恵まれた日には遠く富士山の姿がくっきりと浮かび上がり、その美しさに思わず息をのむほどです。
短時間で登れるにもかかわらず、達成感と絶景を楽しめる衣張山。気軽にトレッキングを楽しみたい方にぴったりのスポットです。鎌倉散策の一環として、訪れてみてはいかがでしょうか?